すばらしい音楽には対価は必要だ。けどコストダウンもして欲しい。

090307music


 えーと。音楽にお金を払わなきゃいけないっておかしくない?


 これを読んで以前に歌手の桃井はるこさんが現在の無料で溢れ返っている音楽を水に例えてた話が面白かったのを思い出した。


 水って水道水ならタダ同然で飲めるけど、あえてミネラルウォーターを買う人っていうのもいて、私はミネラルウォーターになりたい。


 と記憶からなので正確ではないけど、このようなことを仰ってました。非常に分かりやすい例えで、これなら音楽に対してお金を払うのも悪くないよねって思わされる。

 
 しかし現在はミネラルウォーターは売れるけど音楽は売れないっぽいので、なにが問題なんだろうと考えて見る。理由の一つはミネラルウォーターと水道水の差が縮まった事かなかとか。



1、機材の差が戦力の差だった昔
 昔は、それこそまず機材からしてプロとアマでは格段に差があった、と思う。高品質な音楽は高価な機材が無ければ作れなかったので、自然にその音楽に対しての対価も必要になってくる。お金を貰わなきゃ作ることすらままならない。


 でも今は機材レベルでいえば個人でも高品質な音楽を作れてしまう。そりゃあ本当に比べると違うかもしれんけど、普通の人には分からないレベルで作れてしまう。安い機材で上質な音楽が作れるなら、製作者は無理して音楽に対して対価を求めなくなっているのかもしれません。伝達手段でさえニコニコ動画とか使えば無料なんですから。




2,大切なのは技術じゃない?
 音楽は楽器を弾いて、歌を歌って出来あがるものだったので、演奏技術というものは大切です。その点でいうとプロはやっぱり上手かったし、今でも上手いと思います。そして技術というのは、単純に派手なテクニックというわけじゃなくて、表現を伝えるための手段だと思うんです。

 
 技術を通して、何を伝えるのかってのが音楽ですから。つまり音楽というもので表現をするには技術が必要不可欠だったんです。ギターを弾けない人にギターで感情を表現してみろって言っても無理ですからね。


 でも今は表現に演奏技術そのものは必要なくなってきたのかも、と思います。これは技術革新のおかげですね。打ち込みの性能がめちゃくちゃあがってて、楽器を演奏しなくても音楽が作られるようになりました。歌でさえ今では初音ミクが歌っちゃう時代なんですもの。そうなってくると大切になってくるのは、表現者の根源というか、人間性だとかセンスってものになってくるのかと思ってます。


 と持論のように語って見るけど、これは中島聡さんの受け売り。

「テクニック」の部分は、ソフトウェアの力で思いっきり補助し、ソフトウェアが決して補うことのできない「センス」の分だけで勝負する芸術作品。ある意味、それこそが本当の「アート」じゃないかと思ったりするんだが、いかがだろうか。
Life is beautiful: 「デッサン力」がない人が「絵を描く楽しみ」を味わえる時代


これは絵の話だけど、音楽でも同じかなと思った。




プロに求めるもの
 上記の理由から、ただ高価な機材と卓越されたテクニックだけで音楽を作っても、アマとそれほど変わらないどころか、それ以下になってしまう場合も確かに出てくるかもしれない。じゃあ、プロのミュージシャンってのは何を売り物にするかっていうと、結局は質しかありません。その質っていうのはセンスだったり魂だったり。


 俺はその点でいうと桃井はるこさんを好きな理由はやっぱり、音楽に籠められた魂が、彼女の歌や演奏、というか生き方から感じられて、これは応援したいなって思ってお金は絶対に出してます。




プロにはお金を払う理由
 で、やっと今回の記事の本題なんだけど。音楽にお金を払うか、否かっていうと。やっぱり上質な音楽にはお金を払っていきたいです。なぜかと言うと、こういった素晴らしい魂を感じさせる音楽って音楽に狂っている人じゃないと作れないと思うから。全員が全員そうじゃないかもしれないけど、音楽に全身全霊を掛けて、すべてを捨てて、音楽に掛けているような人のほうが、いい音楽を生み出すと思うんだ。


 そして、その人たちを生かす、生活させるためにはお金が必要なんです。じゃないと死んでしまうか、音楽にかける時間を割いて、働いてしまう。そうすると音楽狂いじゃなくなって、音楽の質が下がるような気がするから。現在ベーシックインカムとかの話が流行ってるけど、あれが実用化されれば、○○狂いって人が増えて、今より文化の向上はするだろうなと思ってるので早く実現しないかな。




結論というか俺の思い
 ただ、そうは言っても実際今の音楽ってどんどん値段が上がってて高いなぁと思うところもある。昔は音楽を作るために必要なコストは機材費とか、伝達手段(CDやレコード)だったんだろうけど、現在はそれらがめちゃくちゃコストダウンしてるのに。


 でも製作者の人件費だけは必要だから、その分のコストはしょうがない。でも未だにプロのCDっていうのは、そういった機材費等が含まれた価格設定になっていて、なんだかなぁって思いも無くは無い。


 もっとコストダウンをしてもらって、払うべきところにお金を払いたいですね。採算とれないのに無理して経費かけて作って、アーティストの手元に残るお金はちょっとっていうのも悲しい話で、どうにかコストダウンをしてもっと制作者にお金が入ればいいのになって思います。そうすれば何万枚も売れなきゃ音楽家として食べていけないって状況から、、もうちょっと音楽家へのハードルも下がりそうな気もするし。


 
 ああ、結論なのに長くなってしまったので、この辺で終わります。音楽好きです。